前回のコラムでは、浮気している女性がなぜ罪悪感を感じにくいのかについてお伝えしました。今回はその対になるテーマ——**「浮気している男性は、なぜ罪悪感をあまり感じずにいられるのか」**という心理についてお伝えします。
調査の仕事をしていると、証拠を突きつけられた男性が「そんなに深刻に考えていなかった」「遊びのつもりだった」という反応をするケースに、何度も出会います。
これは、言い逃れのための嘘というより、本人が本当にそう感じていることが多いというのが、現場での実感です。なぜそうなるのか——男性の浮気に見られる心理パターンを、私なりの視点でお伝えします。
「浮気=行為」として切り離す心理
c-03のコラムでお伝えしたように、女性の浮気は「感情的なつながり」から始まることが多い一方、男性の浮気は、「行為」そのものとして完結してしまうケースが目立ちます。
「感情は伴っていない」「妻(彼女)への気持ちは変わっていない」——男性がこう説明することは珍しくありません。これは弁解ではなく、本人の中で「浮気=関係性の裏切り」ではなく「浮気=一時的な行為」として処理されていることが多いためです。
感情的なつながりを裏切りの本質だと考える人にとって、「気持ちは変わっていない」という言葉は矛盾しているように聞こえます。しかし、行為そのものを切り離して考える心理があると、この矛盾は本人の中では成立してしまいます。
「バレなければ何も起きていない」という認識
もう一つ、現場でよく見かけるのが、「発覚しなければ、誰も傷つかない」という考え方です。
「妻が知らなければ、生活は何も変わらない」「今まで通り家族を大事にしている」——こうした言葉の背景には、罪悪感の基準が「相手が傷ついたかどうか」ではなく「相手が気づいたかどうか」に置かれている状態があります。
この認識の場合、証拠を突きつけられて初めて、事態の重さに向き合うことになります。逆に言えば、発覚するまでの間、本人の中では罪悪感が育ちにくい構造があるということです。
「これくらいは許される」という正当化
浮気を続ける男性の中には、自分なりの正当化の理屈を持っている人が少なくありません。
「仕事のストレスが溜まっていた」「妻(彼女)との関係が冷めていた」「誘われたら断れない」——理由自体は様々ですが、共通しているのは、自分の行動を正当化する材料を、自分の中で先に用意しているという点です。
この正当化があることで、罪悪感が「反省」ではなく「言い訳」の形で処理されてしまいます。証拠を突きつけられたときに、まず出てくるのが謝罪ではなく理由の説明になるのは、このためだと感じています。
罪悪感がないわけではない、鈍っているだけ
ここまで読むと、「男性は本当に何も感じていないのか」と思われるかもしれません。ただ、私が現場で見てきた印象では、罪悪感が「ない」わけではなく、「鈍っている」というのが近いと思います。
浮気をしている最中は、刺激や高揚感が勝り、罪悪感を意識する余地が少なくなります。しかし、証拠を突きつけられ、家庭を失うかもしれないという現実に直面したとき、初めて自分の行動の重さに気づく人も少なくありません。この段階になって、涙を流したり、深く後悔する様子を見せる男性も、実際にいます。
つまり、罪悪感を最初から持たない人と、状況に直面して初めて罪悪感を自覚する人がいる、ということです。どちらのタイプかによって、発覚後の対応や、再構築の可能性も変わってきます。
罪悪感の薄さと、繰り返しやすさの関係
正直に言うと、罪悪感が薄いタイプの男性ほど、同じことを繰り返しやすい傾向があるというのが、現場での実感です。
一度目の発覚時に強い反省が見られず、「バレたのは運が悪かった」というような態度が見える場合、証拠を確保したうえで、次にどう対応するかを慎重に考えておくことをお勧めします。
よくあるご質問
Q. 夫が浮気をしても平然としています。反省していないのでしょうか?
A. 反省していないと断定はできません。証拠を突きつけられた直後は動揺を見せない人でも、時間が経ってから事の重大さに気づくケースもあります。ただし、態度の変化がないまま時間が経つ場合は、注意して見ておく価値があります。
Q. 「遊びだった」と言われました。それでも慰謝料請求はできますか?
A. はい、できます。本人がどう捉えているかにかかわらず、不貞行為の事実が確認できれば、慰謝料請求の対象になります。
Q. 一度目は反省したように見えましたが、繰り返しています。
A. 一度目の反省が表面的なものだった可能性があります。証拠を確保したうえで、今後の対応を慎重に考えることをお勧めします。
Q. 証拠がなくても相談できますか?
A. はい、可能です。「態度がおかしい」「反省しているように見えない」という段階でのご相談もお受けしています。
まとめ
浮気している男性が罪悪感を感じにくい背景には、「浮気=行為」として感情から切り離す心理、「バレなければ何も起きていない」という認識、自分なりの正当化——こうしたパターンが見られます。ただし、これは罪悪感が全くないということではなく、多くの場合、現実に直面するまで鈍っているだけだというのが、現場での実感です。
罪悪感の薄さは、繰り返しやすさにもつながることがあります。証拠を確保したうえで、本当に反省して再構築を望むタイプなのか、それとも同じことを繰り返す可能性が高いタイプなのかを見極めることが、今後の判断材料になります。一人で抱え込まず、まずは状況をお聞かせください。
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