「うちの夫、最近年収が上がってから羽振りが良くなった。まさか浮気なんて考えすぎだろうか」「うちは私の方が収入が高い。それも関係あるのだろうか」——年収と浮気の関係について、漠然とした不安を抱く方は少なくありません。
実際、日本で既婚者770人を対象に行われた研究では、「年収(収入)が高い男性」と「妻より収入が低い男性」の双方で、不倫をしやすい傾向が示されています。ただし、これはあくまで統計的な傾向であり、個人に当てはまるものではありません。この記事では、その研究結果をもとに、年収が不倫にどう影響するのか、なぜそうなるのかを整理します。
既婚者770人を対象にした、日本の実証研究
2018年、当時東北大学に所属していた社会学者・五十嵐彰氏(現・大阪大学准教授)が、日本家族社会学会の機関誌『家族社会学研究』に発表した論文「誰が『不倫』をするのか」があります。既婚者770人を対象にした調査データをもとに、どのような人が不倫をしやすいのかを実証的に分析したものです。この研究は、2023年に新しいデータを加えて『不倫——実証分析が示す全貌』(中公新書)として書籍化もされています。
この研究が注目されたのは、「夫婦の情緒的な結びつきが強ければ不倫は防げる」という、これまで一般的に信じられてきた考え方に、データの面から疑問を投げかけた点です。
年収は、不倫と2つの形で関係している
この研究で特に興味深いのは、男性の年収(収入)が不倫に与える影響が、単純な比例関係ではなく、二つの方向に働くという点です。

年収が高い男性ほど、不倫をしやすい
一つ目の傾向は、直感的にも理解しやすいものです。年収が高い男性ほど、不倫をしやすい傾向が示されています。不倫関係を維持するには、食事・宿泊・贈り物といった金銭的な負担が伴います。経済的な余裕があるほど、その負担を負いやすくなります。加えて、高い年収は社会的な魅力の一つとして働き、相手にとって好印象になりやすいという側面も指摘されています。
妻より収入が低い男性も、不倫をしやすい
二つ目の傾向は、あまり知られていません。妻より収入が低い男性もまた、不倫をしやすい傾向があるという結果です。
一見、一つ目の傾向と矛盾するように見えますが、理由は経済的な余裕とは別のところにあります。妻より収入が低いという状態が、本人にとって「男性としての自信」を脅かすものとして働き、それを別の形で取り戻そうとする行動として、不倫に至るケースがあると考えられています。
つまり、年収が高くても低くても(正確には、妻より低い場合)、不倫のリスクという意味では、両方に注意が必要ということになります。
女性の場合は、収入ではなく学歴が影響する
もう一点、この研究で明確に示されているのが、女性の不倫傾向には、収入や配偶者との収入差がほとんど影響しないという点です。
女性の不倫傾向に明確な影響を示したのは、収入ではなく学歴でした。高学歴な女性ほど、不倫をしにくい傾向があるという結果です。これは、社会的な立場や評判への配慮というより、教育を通じて形成される価値観や規範意識が関係していると考えられています。
なお、学歴については男女ともに同じ傾向(高学歴ほど不倫をしにくい)が見られており、男女で明確に差があったのは「年収(収入)」という要因の効き方だけでした。この結果からは、男性と女性では、不倫に影響する社会的要因が異なる可能性も示唆されています。
この研究結果から、何が言えるのか
「年収が高いから」「年収が低いから」で、決めつけないこと
この研究結果は、あくまで統計的な傾向であり、個々の関係に当てはまるとは限りません。年収が高くても誠実な関係を続けている方は多くいますし、年収が低くても同じです。「年収がこうだから浮気しているはずだ」と決めつけることは適切ではありません。
現場の実感として——「年収そのもの」より「時間と行動の変化」
当社でも、経営者や高収入の方からのご相談は少なくありません。一方で、会社員で決して高収入ではない方の浮気調査も数多くあります。現場で感じるのは、「年収そのもの」よりも、自由に使える時間や行動パターンの変化の方が、実際の浮気には結び付きやすいということです。
年収の増加だけでは不倫を判断できません。しかし、年収が上がったことと同時に、帰宅時間・休日の外出・スマートフォンの扱い・お金の使い方など複数の変化が重なっている場合には、総合的に確認することが重要です。
経営者・高収入層の浮気については、別の記事でも解説しています
経営者・社長など、特に高収入・裁量の大きい職業における浮気の構造については、経営者・社長の浮気・不倫——自由な時間・接待・交際費が不倫を生みやすい理由と発覚パターンでも詳しく解説しています。今回ご紹介した研究結果とあわせてご覧いただくと、より立体的に理解いただけると思います。
「妻より収入が低い」という状況が、浮気を正当化するわけではない
一点、誤解のないようにお伝えしておきたいことがあります。この研究が示しているのは、あくまで「そうした状況にある人は、統計的に不倫をしやすい傾向がある」という相関関係であり、その状況が不倫を正当化する理由になるわけではありません。経済的な立場がどうであれ、不貞行為は法律上・道義上の責任を免れるものではありません。
よくあるご質問
Q. 夫の年収が最近上がりました。浮気を疑うべきですか?
A. 年収の増加だけで浮気と判断することはできません。ただし、年収の変化に加えて、帰宅時間や連絡の取り方など、他の変化が重なっている場合は、実態を確認する価値があります。
Q. 私の方が夫より収入が高いです。これは浮気のリスクになりますか?
A. 研究結果としては、そうした傾向が指摘されています。ただし、これはあくまで統計的な傾向であり、個々の関係に当てはまるとは限りません。過度に不安になる必要はありませんが、気になる変化があれば、事実を確認することをお勧めします。
Q. こうした研究結果は、慰謝料請求の証拠として使えますか?
A. いいえ、使えません。この研究は一般的な傾向を示す統計データであり、個別の不貞行為の証拠にはなりません。慰謝料請求には、実際の行動を示す具体的な証拠が必要です。証拠の集め方については浮気・不倫の証拠収集完全ガイドをご覧ください。
Q. 女性の浮気は、何が原因になりやすいのですか?
A. 今回ご紹介した研究では、女性の不倫傾向に明確な影響を示したのは学歴のみで、収入との関連は確認されていません。女性の浮気の背景については、職業別の記事(生保レディ、看護師など)でも個別に解説していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
日本国内で行われた実証研究によると、男性の年収は不倫と二つの形で関係しており、年収が高い場合も、妻より収入が低い場合も、不倫をしやすい傾向が示されています。一方、女性の不倫傾向には収入はほとんど影響せず、学歴が明確な要因として示されています。
大切なのは、「年収が高いから」「妻より収入が低いから」と決めつけることではなく、実際の行動や生活の変化を総合的に見ることです。気になる点がある場合は、一人で抱え込まず、まずは事実を確認することをお勧めします。証拠の確保や今後の進め方でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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