事例概要

  • 依頼者:50代女性(千葉市在住)
  • 調査対象:依頼者の夫(50代・自営業・会社経営)
  • 調査期間:約3週間・実調査5日間
  • 結果:自社の事務員との不倫を確認・証拠確保・慰謝料請求

「うちの夫、スマホに全然興味がない人だったんです。ずっと」

相談に来たOさん(50代・女性)は、そう言いながら少し笑いました。呆れたような、懐かしいような笑い方でした。

「電話とLINEしか使わなくて。通知が来ても気にしない、充電が切れても気にしない。そういう人だったのに、急にスマホをいつも手に持つようになって」

「この人がスマホを気にするなんて」

夫は小さな会社を経営しています。創業してから20年以上、地道に事業を続けてきた人です。Oさんも長年、経営を支えてきました。子どもはすでに独立しており、夫婦2人の生活でした。

「50代になって、夫婦2人になって、これからは少し楽になるかなと思っていたんです」

変化が出始めたのは、半年ほど前からでした。

きっかけはスマートフォンでした。以前は机の上に置きっぱなし、充電が切れていても気にしない、通知が来ても後で確認する——そんな夫が、スマートフォンを常に手元に置くようになりました。

「最初は、何かアプリでも始めたのかなと思ったんです。ゲームとか、ニュースとか。でもそういう話は全くしなくて」

食事中もスマートフォンをテーブルの上に置くようになりました。着信があると席を立って別室に移動する。就寝前にスマートフォンを確認してから眠るようになりました。

「この人がスマホをこんなに気にするなんて、おかしいと思って」

外出の様子も変わっていました。以前は会社と自宅の往復が基本だった夫が、「ちょっと出てくる」という外出が増えていました。行き先を聞いても「会社の用事」という答えが返ってくるだけでした。

「会社の用事って、社長が自分でやらないといけないことって何だろうって思って。でも会社のことは詳しくないから、そういうものかなと思おうとしていました」

Oさんが調査を決めたのは、夫のスマートフォンにたまたま表示された着信画面を見たときでした。会社の社員の名前でしたが、登録の仕方が「〇〇ちゃん」という親しげなものでした。

「社員の名前で登録してあったんですが、『ちゃん』付けで。それを見たとき、これは調べないといけないと思いました」

調査の概要

Oさんから得られた情報は以下の通りでした。

  • 夫の会社の場所・業種
  • 「ちょっと出てくる」という外出が多い時間帯
  • 夫が使用する車の情報
  • 会社のスタッフ構成(事務員が1名いること)

退社後・休日の「ちょっとした外出」に合わせて調査を開始しました。

1日目の調査

夫は退社後、会社の近くのカフェに入りました。すでに座って待っていたのは、40代と思われる女性でした。後の調査で、自社の事務員であることが確認されました。約1時間カフェで過ごした後、2人で夫の車に乗り込み、千葉市内のホテルへ入場しました。チェックイン・滞在・退出の場面を映像で記録しました。

2日目の調査

同じパターンが繰り返されました。退社後に同じ女性と合流し、今回は食事をしてからホテルへ。前回と同じ女性であることが確認されました。

3日目の調査

休日の昼間に調査を実施しました。夫が「会社に書類を取りに行く」と言って外出した後、会社には向かわず直接女性のマンションへ。数時間滞在した後に帰宅しました。「書類を取りに行く」という説明との乖離が記録されました。

4日目の調査

平日の昼間の調査を実施しました。会社内で夫と事務員が2人きりになる時間帯を確認しました。昼休みに2人でランチに出かける場面も記録されました。日常的に業務上の接触が多い環境であることが確認されました。

5日目の調査

退社後のパターンを再度確認しました。同じ女性と合流し、ホテルへ。複数日にわたって同一のパターンが繰り返されていることが記録されました。

調査期間は約3週間、実調査5日間でした。

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「事務員さんか」

調査結果を報告したとき、Oさんはしばらく映像を見つめた後、ため息をつきました。

「事務員さんか」

静かな声でした。

「ずっと一緒に会社をやってきて、その会社の事務員さんと、か」

Oさんにとって夫の会社は、2人で長年かけて築いてきたものでした。その会社のスタッフとの不倫——裏切りが、仕事という共通の土台にまで及んでいたことが、Oさんには特別な痛みだったようでした。

夫に証拠を突きつけると、最初は沈黙しました。しばらくしてから「申し訳なかった」とだけ言いました。

「申し訳なかった、だけか、と思いました。20年以上一緒にやってきて、その言葉だけか、と」

事務員への慰謝料請求については、夫が経営者として自社のスタッフを不倫関係に引き込んだという事情が、悪質性を示す事情として考慮されました。夫への慰謝料請求と合わせて、相応の慰謝料を受け取りました。

事務員は会社を退職することになりました。

自営業・経営者という「見えにくさ」

今回のケースで特徴的だったのは、夫が自営業の経営者という立場だったという点です。

会社経営者の場合、勤務時間・外出先・取引相手を配偶者が把握することが非常に難しいものです。「会社の用事」という説明は配偶者には確認する手段がなく、疑いを持つことへの心理的なハードルが上がります。

また社内の事務員という関係は、職場不倫④でお伝えしたように、日常的な業務連絡という完璧な名目があります。「仕事の連絡が多い」「会社のことで話し合っている」という状況は、配偶者には疑いにくいものです。

こういう変化が重なったとき

スマートフォンへの関心が急に変わったとき

以前は無頓着だった人が急にスマートフォンを手放さなくなった——この変化は、他のサインと重なるとき特に注意が必要です。長年の習慣が変わるには、それだけの理由があります。スマホの変化で分かる浮気のサインもあわせてご参照ください。

「会社の用事」という外出が増えたとき

自営業・経営者の場合、「会社の用事」という説明は配偶者には確認が難しいものです。その外出の頻度・時間帯・帰宅後の様子に変化があるとき、実態の確認が重要です。

社員・スタッフの名前の登録の仕方が「親しすぎる」とき

社員の名前が「〇〇ちゃん」「〇〇くん」という親しげな登録になっているとき、その関係の実態を確認する価値があります。

よくあるご質問

Q. 夫が自営業で行動が読みにくいのですが、調査できますか?

A. はい、対応しております。自営業の場合、行動パターンが不規則なことが多いですが、事前に情報を丁寧に聞き取ることで調査の組み立てができます。ご主人の浮気調査のページからお気軽にご相談ください。

Q. 不倫相手が自社の事務員の場合、退職を求められますか?

A. 示談の条件として退職を求めることは可能です。ただし法的な強制力はなく、相手が任意に応じることが前提です。弁護士と相談しながら示談条件を設定することをお勧めします。当社では顧問弁護士への無料紹介も行っております。

Q. 経営者の夫が自社のスタッフと不倫した場合、慰謝料は高くなりますか?

A. 経営者という立場を利用してスタッフを不倫関係に引き込んだという事情は、悪質性を示す事情として慰謝料の算定に影響する可能性があります。浮気・不倫の慰謝料はいくら請求できる?もあわせてご参照ください。

Q. 50代の夫婦でも慰謝料請求できますか?

A. はい、年齢に関係なく請求できます。婚姻期間が長い場合、精神的苦痛が大きいと判断されることがあり、慰謝料の算定にプラスに働くこともあります。

Q. スマートフォンへの変化だけで相談できますか?

A. はい、その段階からのご相談が最も多いです。「なんとなくおかしい」という段階でご相談いただくことで、証拠を確保しやすい状態のうちに動くことができます。

まとめ

千葉市在住の50代夫婦のケースです。20年以上無頓着だったスマートフォンを急に手放さなくなった夫の変化が発覚のきっかけとなり、約3週間・実調査5日間で自社の事務員との継続的な不倫関係を証拠化しました。夫と事務員の双方への慰謝料請求が成立し、事務員は退職した事例です。

担当調査員より

今回の依頼を受けたとき、最初に感じたのは「スマホに無頓着な人が急に気にし始めた」という違和感の鋭さでした。

派手なサインじゃないんです。帰りが遅くなったわけでも、外泊が増えたわけでもない。ただ「スマホを手に持つようになった」というだけ。でもOさんには、それが引っかかった。

20年以上一緒に暮らしてきた人の「普通」を知っているから気づける変化というものがあります。「この人がスマホをこんなに気にするなんて」という感覚は、長年連れ添ってきたからこそのものです。

報告書をお渡しするとき、Oさんが「事務員さんか」とつぶやいた言葉が忘れられません。単純に浮気が発覚したという痛みだけじゃなくて、一緒に築いてきた会社まで、という痛みがその言葉に込められていた気がして。

この仕事をしていると、浮気の発覚が単なる「裏切り」だけじゃなく、その夫婦が一緒に積み上げてきたものへの裏切りでもあるということを、改めて感じさせられることがあります。今回はそういうケースでした。

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