1. 親権とは?
親権とは、未成年の子どもを養育・監護し、その財産を管理する権利・義務のことです。
離婚する場合、夫婦のどちらか一方を「親権者」として定める必要があります(民法819条)。
- 親権の内容
- 身上監護権:子どもの生活・教育・医療など日常生活を管理する権利
- 財産管理権:子どもの財産を管理し必要な法律行為を行う権利
2. 親権者の決め方
夫婦の話し合い(協議離婚)で合意すればよいですが、調停や裁判に持ち込まれた場合は裁判所が判断します。
判断基準は 「子どもの利益(福祉)」を最優先 とすることです。
- 主な判断要素
- 子どもの年齢(特に乳幼児は母親が優先されやすい)
- 養育環境の安定性(住居・経済力・生活習慣など)
- 親の監護能力(育児への関与、精神的・身体的健康状態)
- 兄弟姉妹をできるだけ分けない配慮
- 子どもの意思(年齢が高い場合)
3. 養育費とは?
養育費とは、離婚後に子どもが健全に成長するために必要な生活費や教育費です。親権者となった側が一方的に負担するのではなく、双方が分担する義務があります(民法877条)。
- 養育費に含まれる費用
- 食費、衣服費、住居費
- 医療費
- 教育費(学費、塾代など)
- 娯楽費や交際費も一定範囲で含まれる
4. 養育費の金額
養育費の金額は「家庭裁判所の算定表」に基づき、支払う側の収入・受け取る側の収入・子どもの人数や年齢をもとに決定されます。
- 一般的な目安
- 子ども1人(14歳未満):月2〜6万円程度
- 子ども1人(15歳以上):月3〜8万円程度
- 子ども2人以上:合計で10万円を超える場合もあり
5. 養育費の支払い方法
- 月払いが基本(口座振込が望ましい)
- 合意内容は公正証書や調停調書に残しておくことで、将来的に支払いが滞った場合でも強制執行が可能になります。
6. ポイントと注意点
- 親権は「親の権利」ではなく「子どもの利益」を守るための制度である
- 養育費は「子どもの権利」であり、支払う親の気分や事情で勝手に減額・停止できない
- 支払いが難しくなった場合は、必ず家庭裁判所に「減額調停」を申し立てる必要がある
まとめ
離婚における親権と養育費は、子どもの将来に直結する重要な問題です。親権者の決定は「子どもの利益」を基準に行われ、養育費は「子どもの生活を守る権利」として確保されます。将来的なトラブルを避けるためにも、書面での取り決めや専門家への相談を忘れないことが大切です。

